
basketballking
2026年08月29日(土)06:30

◆■代表キャンプでも高評価
ベン・シモンズのNBA復帰が、少しずつ現実味を帯びてきた。
『Sactown Sports 1140』でスポーツパーソナリティを務めるカーマイケル・デイブによると、サクラメント・キングスのGMスコット・ペリーは今週、フロリダで行われたシモンズのワークアウトを視察。さらに、デイブは現場にいた人物から「ベン・シモンズは素晴らしく見えた」とのメッセージを受け取ったことも明かしている。
シモンズは、ブルックリン・ネッツとロサンゼルス・クリッパーズでプレーした2024-25シーズンを最後に、無所属のままNBAのコートを離れている。しかし、2016年ドラフト全体1位指名、2018年の新人王、3度のオールスター選出、さらに2020年にはスティール王に輝き、2度のオールディフェンシブファーストチーム選出など、経歴は各球団のスターターと比較してもトップクラスのものである。
2018年の新人王受賞など華々しい経歴を持つシモンズ[写真]=Getty Images
一方で、これらの華々しい受賞歴はすべて、フィラデルフィア・セブンティシクサーズとの関係悪化が顕著化した2021-22シーズン以前のものであることも忘れてはいけない。同年は背中のケガやメンタル面のコンディション不良により、シーズンを全休。その後もコンディションとパフォーマンスは安定せず、2022年からの3シーズンはわずか108試合の出場に止まっている。
無所属となった2025-26シーズンは、回復に専念するためのものだった。今年6月『Men’s Health』の取材に応じたシモンズは、2020年から続いた神経系の腰の問題について語っており、もう一度プレーするためには「自分自身と身体を立て直す時間が必要だった」と説明。現在は久しぶりに身体の状態が良いことを強調しており、実際に今夏からトレーニング量を本格的に増やしているという。
8月には、再起に向けて重要な一歩を踏み出した。シモンズは、メルボルンで開催された男子オーストラリア代表候補による選手主導のミニキャンプに参加。このキャンプにはジョシュ・ギディー(シカゴ・ブルズ)やダイソン・ダニエルズ(アトランタ・ホークス)も参加しており、前者はプレー制限なしだったシモンズの状態を「本当に良い」と高く評価している。
◆■「素晴らしく見えた」の意味とは…
シモンズのアクションには、NBA側も反応し始めている。『Andscape』のマーク・J・スピアーズ記者によれば、複数球団がシモンズに関心を示しており、ウェスタンカンファレンスの1球団からは、保証なしのトレーニングキャンプ参加オファーも届いているという。シモンズ自身も、復帰が叶うのであればベテランミニマムでの最低年俸を受け入れる見込みだ。
その具体的な候補として浮上しているのが、キングスである。昨シーズンを22勝60敗で終えた同球団は、デマー・デローザンと決別し、ドラフト全体7位でダリアス・エイカフJr.を指名して、再起を図ろうとしている。トップスコアラーのザック・ラビーン、攻守の要となるドマンタス・サボニス、優秀な若手3&Dのキーガン・マレー、リーグ最強シックスマンの1人であるマリーク・モンクなど、ロスターには十分な才能が揃っている。
シモンズは新人エイカフを補完できる存在として有力[写真]=Getty Images
そうした中で、シモンズはキングスが求める人物像に当てはまる存在だ。球団はラッセル・ウェストブルックの引退、デニス・シュルーダー、キーオン・エリス、デビン・カーターの放出により、ガードが手薄に。エイカフに全責任を背負わせるのは荷が重く、同選手を補完できるプレーメーカーは、開幕前に是が非でも手に入れておきたい状況にある。もし仮にシモンズが健康で、試合感を取り戻せば、スイッチをもろともしない強靭な守備とリバウンドに加え、トランジションでの展開力という大きなオプションを加えることができる。
一方で、デイブはシモンズの復帰を全面的には支持していない。課題とされているジャンプシュートの改善は毎年のように裏切られてきた歴史があり、健康面も万全かは不確か。デイブは「『素晴らしく見えた』というフィードバックが、彼の何を指していたのかは分からない。ハンサムだったという意味かもしれない」とし、ユーモラスかつ慎重なコメントを残している。
空白の1年、果たして元オールスターガードは本来の姿を取り戻し、NBAのコートに再び足を踏み入れるのだろうか。
文=Meiji