
basketballking
2026年10月09日(金)07:10

9月25日と翌26日、日本国内でNBAの試合と魅力を配信する「NBA docomo」が、往年の名プレーヤーを招き、彼らの経験を日本の次世代へつないでいくプログラム「MEET THE GAME CHANGERS」を開催した。
そこには、2000年代から2010年代を代表するペイントエリアの支配者、ドワイト・ハワード(元オーランド・マジックほか)の姿があった。2004年にドラフト1位指名を受け、8度のオールスター、5度のオールNBAファーストチーム選出。また、3年連続のNBA最優秀守備選手賞と4度のオールディフェンシブチーム、5度のリバウンド王に2度のブロック王、そして2020年には悲願のタイトル獲得と、トロフィールームには数々の功績が並ぶ。
ライバルだったティム・ダンカン(元サンアントニオ・スパーズ)やケビン・ガーネット(元ボストン・セルティックスほか)たちにも恐れられた天賦の才能。しかし、周知の通り、ひょうきんな性格とバスケットボールへの愛情は、引退後も決して変わることはない。バスケットボールキング編集部は、そんなスーパーマンに、世界各国でプレーを続ける理由や、新旧ビッグマンたちへの見解を聞いた。
取材協力=NTT docomo
インタビュー・文=Meiji
◆■台湾でのプレー経験「キャリアの終わりが近づいた僕に、もう一度翼をくれた」
今回の来日では日本の中・高校生との交流を楽しんだ [写真]=NBA docomo
――来日は2024年の「World Smile Tour」ぶりでしょうか。今回の来日で楽しみにしていたことはありますか?
ハワード 日本は世界でも特に好きな場所の1つだ。ファンのみんなに会うのが待ちきれないよ! あとはラーメンも楽しみ。(関係者たちに向かって)なぁ、誰か俺にラーメン持ってきてくれない?うどんでもいいよ(笑)。日本の麺類がマジで大好き。とにかく、出会う人たちみんなと一緒に、思い切り楽しみたいね。
――帰国する前に日本でやりたいことはありますか?
ハワード 個人的なことであれば、東京ディズニーシーに行きたい! アメリカにはディズニーランドもディズニーワールドもあるけど、ディズニーシーはここにしかないだろ。オーランドはディズニーの街だ、わかるだろ? ディズニーの大ファンなんだ。
――引退を表明してから半年後、ジョージアのクラブとの契約発表は驚きでした。本当ですよね(笑)?
ハワード ああ、本当だよね。でも、あれはエキシビションゲームに参加するための契約なんだ。楽しむためのものだと思ってもらっていいよ。
――それでもプレーしようと思った理由は何ですか?
ハワード 僕はずっとバスケをしてきて、もう40歳。若い頃とは違うから、今は人生を楽しみながら、新しいことに挑戦したり、いろんな国へ行ったりしたい。ジョージアには行ったことがないんだ。(マジックの)ゴガ・ビターゼとか、(元ウォリアーズの)ザザ・パチュリアとか、NBAにもあの国の出身選手がいる。今回はフルシーズンを戦うわけじゃないし、少し試合に出場して楽しむつもりだ。何より、バスケの魅力と愛を世界に広げるよい機会だよ。
――その他の国では、台湾やフィリピン、モンゴル、さらにはBIG3でもプレーしています。NBA引退後もプレーを続ける原動力は何だったのでしょうか?
ハワード 台湾については、昔の約束を守りたかったんだ。18歳の時に「いつか戻ってきて、少なくとも1年はプレーしたい」と思っていた。NBAでのキャリアを経て、ようやく戻れたんだ。実際には8カ月滞在したんだけど、もう最高だった。アメリカを離れて地球の反対側で暮らして、新しい友達ができて、たくさんの人とつながれた。人生でも特にすばらしい経験の1つだよ。長くNBAでプレーして、キャリアの終わりが近づくと、寂しさや悔しさを感じることもある。でも台湾がもう一度、僕に翼をくれたんだ。
――そもそも18歳の時になぜ台湾を訪れたんですか?
ハワード NBAに入団したばかりのころにリーグの仕事で行ったんだよ。すごく気に入って、「絶対また来よう」って思った。休む暇もなくて、NBAにいる間はずっと忙しくてね。引退を考え始めた頃になって、ようやく戻れた。
――海外でプレーして、外からNBAを見るようになり、何か気づきはありましたか?
ハワード リッチモンドも言っていたけど、NBAには本当に次から次へとよい選手が入ってくる。だから、どんなことにも対応できる準備が必要なんだ。僕は長い間、フランチャイズの中心選手だったけど、キャリアの終盤はロールプレーヤーになった。役割が変われば、チームからの扱われ方も全然違う。それを経験したうえで海外へ行って、もう一度たくさんの愛情を感じられた。まるでゼロからの再スタートみたいだったよ。
――現代のNBAはニコラ・ヨキッチやビクター・ウェンバンヤマを筆頭に、改めてビッグマンの存在感が大きくなっています。その現状をどう見ていますか?
ハワード 今のビッグマンはボールに関わる機会がものすごく多いね。みんな自分でボールを運べるし。多彩だから自分でオフェンスを始められるし、やりたいプレーを実行できる。僕がデビューした頃は違ったよ。ビッグマンの仕事はコートを走って、相手を押さえて、ゴール下で簡単なシュートを決めること。それが無理ならスクリーンをかけて、リングに向かってロールする。選択肢は今ほど多くなかった。でも、僕はどんな役割を与えられても、その仕事でスターになりたかった。ピック&ロールして、みんなの上からダンクを決めろって言われたら、そうするだけ。
――現役センターで対戦してみたい選手はいますか?
ハワード みんなとマッチアップしてみたいよ!バスケも勝負も大好きだからね。ヨキッチもそうだけど、ジョエル・エンビードやカール・アンソニー・タウンズのような選手の成長を見るのも楽しいね。あとは、ミネソタのルディ・ゴベア。彼の成長もそうだ。少し前まではペリメーターの守備が理由で、第4クォーターに起用しづらい場面もあった。でも自分のプレーを変えて、体も絞ってきた。若い世代の選手たちが成長しているのはうれしいよ。
――あなたのような卓越したディフェンダーから見て、最も守るのが大変なセンターは誰ですか?
ハワード ヤオ・ミンみたいな選手はいないよ。彼が一番手ごわかった。背が高いだけじゃなくて、229センチもあるのに、体が本当に強くて動かせないんだ。ゴール下で位置を取って、ジャンプフックも、ターンからのフェイダウェイも決められる。あの高さじゃブロックできないよ。それに、彼はペイントエリアで勝負したがる選手だった。今は2メートルを超える選手も外でプレーしたがるし、そうしないと出場時間を得にくいのも分かる。でも、ゴール下でヤオに勝つのは本当に大変だった。僕が対戦した中でも、特に苦労する選手だったね。
ハワードは最もタフなマッチの相手をヤオミンと回答 [写真]=Getty Images
――NBA 2026-27シーズンの開幕もすぐそこまで迫っています。新シーズンの展望を教えてください。
ハワード 今シーズンは超面白くなると思うよ。昨シーズンのプレーオフは、どのチームも本気でぶつかり合っていた。あそこまでポストシーズン全体を見るのが楽しみだったのは、何年ぶりだろう。オフシーズンはフィラデルフィアの新戦力加入、ミネソタ絡みのトレードをはじめ、いろんな動きがあったから、各チームが毎晩、本気で勝負に来るはず。それが最高になると思う理由だ。レギュラーシーズンは流して、プレーオフでギアを上げるチームもあるけど、今はSNSもあるし、ファンの反応も厳しい。それに誰だって負けたくない。みんな気合いを入れてくるし、フィラデルフィアを倒そうとするチームも出てくるだろう。白熱のシーズンになりそうだから、僕も欠かさずチェックするつもりだよ。