
basketballking
2026年10月20日(火)09:01

オクラホマシティ・サンダーの大型新人アデイ・マーラに、NBAデビュー直前で思わぬ問題が浮上した。古巣のスペイン1部バスケット・サラゴサが、マーラとの契約は現在も有効だとし、NBAでプレーするための国際移籍に異議を申し立てている。
サラゴサは10月17日(現地時間16日)、マーラが2026-27シーズンまで同クラブとの契約下にあるとする声明を発表。国際移籍に必要な移籍許可書の申請は届いておらず、仮に申請された場合にも正式に反対するとし、強固な姿勢を示している。
サラゴサの育成組織に在籍していたマーラは、トップチームでプレーした後、当時18歳だった2023年にアメリカへ渡るべく、契約の一方的な解除を申し入れた。サラゴサはこれを認めず、契約違反としてスペイン国内で提訴。退団に伴う違約金として60万8000ドル(約9120万円)を求めており、訴訟は現在も続いている。
だが、サラゴサの主張には歪みがある。退団後にマーラが進んだのは、NBAではなくNCAAだった。FIBAの国際移籍制度では、NCAAでプレーするために国際移籍許可を得る必要がない。そのためマーラはUCLAで2シーズンを過ごし、2025-26シーズンにはミシガン大学へ移籍。平均12.1得点6.8リバウンド2.6ブロックを記録し、ビッグ10カンファレンスの最優秀守備選手賞を受賞。そして、同校をNCAAチャンピオンに導いた。
ミシガン大ではNCAAチャンピオンに輝いた [写真]=Getty Images
サンダーは、NBAドラフト2026において、全体12位でマーラを指名した。221センチの長身を誇るだけでなく、リムプロテクション、ポストからのパス、柔らかなフィニッシュを備える現代型センターであり、リーグではすぐに頭角を現している。
サマーリーグでは平均8.7得点7.7リバウンド3.7アシスト。ペリメーターでの守備やNBAレベルでのスピードへの対応には課題を残したが、プレシーズンで一気に存在感を高めたルーキーの1人と言える。5試合で平均13.4得点7.6リバウンド2.8アシスト2.4ブロックを記録。極めつけは78.8パーセントのフィールドゴール成功率であり、ミルウォーキー・バックス戦ではフィールドゴール10本すべてを成功させて22得点を挙げ、高効率な即戦力としての可能性を示した。
ドラフトでは12位指名だったが、その評価以上の活躍を開幕前に見せている [写真]=Getty Images
サラゴサのホセ・アルティガスGMは、マーラが移籍許可書なしでNBA公式戦に出場すれば、NBAとFIBA間の規則に抵触すると主張している。一方、サンダーは「マーラは直近3年間をNCAAでプレーしており、NBAからの助言ではスペインのクラブから許可を得る必要はない」と説明。出場資格に問題はないとの認識であり、両者のあいだにはズレが生じている。
一方のFIBAも、現時点ではサラゴサ、マーラ、NBAのいずれからも、この契約紛争について正式な通知を受けていないとしている。現状、サンダーはマーラをロスターの一員としてカウントしながら、開幕へ向けて準備を進めている。
スペインでプロを経験してから、NCAAを経由してNBAに加入。このルートが国際移籍上の効力を持つのか否かの判断が、着地の論点となる。
プレシーズンで評価を高め、NBA王者サンダーのローテーション入りも見えてきたマーラ。そのデビューを左右するのは、コート上の競争ではなく、3年前に母国に残してきた契約問題となりそうだ。
文=Meiji