
basketballking
2026年11月02日(月)09:19

アンソニー・エドワーズ(ミネソタ・ティンバーウルブス)とアディダスによる広告キャンペーンが、NBAファンの話題をさらっている。最新作『Minnatlantasota Ep3』で描かれるのは、アンソニー・エドワーズの“替え玉探し”だった。
『Minnatlantasota(ミネアトランタソタ)』とは、エドワーズが所属するミネソタと自身の故郷アトランタを掛け合わせた造語。この作品シリーズは、アディダスがシグネチャーモデルの第3作『アンソニー・エドワーズ 3(AE 3)』とともに始動したスケッチコメディシリーズで、シーズンを通じて新作が公開される。
今シーズンのアントのパートナー『アンソニー・エドワーズ 3(AE 3)』 [写真]=Getty Images
第3話では、エドワーズと幼なじみで広告シリーズにもたびたび登場する、親友の“スリック”ことニック・マドックスが、エドワーズそっくりのボディダブル(=替え玉)をオーディションする。目的は、本人が欠場した際に代役を送り込み、主要個人賞の受賞資格に必要な65試合を確保するため。アディダス バスケットボールも動画公開とともに「何があっても65試合に出場する。間違いない」とキャプションを添えた。
Ep3の候補者たちは見た目だけでなく、話し方やバスケットボールまでエドワーズになりきろうと奮闘する。動画はスリックの「相棒、状況を整理するぞ。試合を休みすぎると、トロフィーケースに入るはずの賞を取り上げられちまう」という導入からスタート。そこから、NBA特有のアワード規定を、選手本人の“替え玉”という荒唐無稽な方法で乗り越えようと、審査が開始される。
出演者も抜かりなく、顔ぶれはとにかく豪華だ。最初の志願者は、ナヴァリス・グリーン。マクドナルドのシフトマネージャーを風刺した動画が話題となり、InstagramとTikTokの合計フォロワー数は100万人を超えるアトランタ出身のコメディアン・俳優だ。その後には、マーベル・スタジオのドラマ『ホークアイ』の出演でも広く知られるアメリカトップのスタンドアップコメディアンのクレイトン・イングリッシュが登場し、最後の志願者にはニューヨーク・ニックスの大ファンとしてNBAでもおなじみのティモシー・シャラメを起用。シャラメはAE 3を手渡され、豪快なダンクを披露すると、それを見たエドワーズから替え玉に抜擢されることとなった。
公開タイミングも、非常に巧妙だった。エドワーズは右ヒザの関節鏡手術を受けることが発表され、最大2カ月間離脱する見通し。動画の撮影時期こそ不明だが、偶然にも「65試合をどう確保するか」というジョークが現実味を帯びた。
シリーズはEp1から巷で話題になってきた。そして、この広告手法はカイル・クーズマ(ミルウォーキー・バックス)からも絶賛されている。
「アンソニー・エドワーズのアディダスのキャンペーンは、かなりアイコニックだ。今の時代、ここまでストーリー性があって、しかも見ていて純粋に楽しいマーケティングは多くない。昔で言えば、スパイク・リーがやっていたようなものを思い出すし、マイケル・ジョーダンのキャンペーンや、コービー・ブライアントの『マンバシステム』もそうだ。今のアントのキャンペーンも、本当にそのレベルに匹敵するよ」
数字の面でも成功は明確である。広告業界誌『WARC』によれば、初代AE 1は発売初年度に100万足以上を販売。アディダスのバスケットボール市場シェアを約3倍にも押し上げたとされている。また、2025年にはリセールマーケット「StockX」でシグネチャーバスケットボールシューズ売上5位となり、アディダスはブランド全体で2026年第3四半期に過去最高となる72億5200万ユーロ(1兆2787億円)の売上高を記録。アントの効果はコート外でも絶大だ。
ショート動画が主流の現代において、長尺のコマーシャルを見たくなる番組へ。エドワーズ本人の自信やユーモアは、商品説明以上にAEシリーズの魅力を引き立てている。Ep4の公開が早くも待ち遠しい。
文=Meiji